
「2023年度開講にあたって」
リーダー 相原戦太郎
中小企業診断士の皆様、これから中小企業診断士登録をされる皆様
コロナ禍で傷んだ財務体質の改善、ウクライナ侵攻に起因するインフレ対策、デジタル化促進、脱炭素、人的資本改革、そして、サステナブル経営の確立などに取り組み、ご苦労されていることと思います。
多様な課題に立ち向かうためには、既存事業のシェア拡大、M&Aや協業の他、新規事業の立ち上げなどの投資活動が重要であると思います。このことは、企業規模の大小や公開か非公開企業かに関わらず、その「核心」部分は、同じであると思います。
当マスターコースの今年度のテーマは「M&Aと価値循環型ビジネスへの転換」です。
まず、最初に、企業経営の核心部とは何か、M&Aをはじめとする事業拡大のための投資活動の進め方を事例企業研究から学んでいただきます。
次に、実在の中小企業が、多様な課題に前向きに取組む中で、既存事業を核にして、M&Aや協業を行い、事業ドメインを循環型経済(サーキュラー・エコノミー)に転換し、今後、価値循環型ビジネスの展開の先陣を切ろうとする生々しい姿を学びます。
これらの座学の後で、当該中小企業のアフタM&A対策の提言を目指して、今後の社会経済の変化の中で「10年後の望ましい姿」を描き、その実現のための「5年後のあるべき姿」(案)を構築・提言していただきます。「あるべき姿を」を提言するための手法については、ケイパビリティ・VRIO分析ならびにダイナミツクケイパビリティ分析を前半の座学で学んでいただきます。
当マスターコースは、社会経済の変化(外部環境)や、経営理念の変遷や財務分析などから、内部経営資源を明確にして、今後の総合的な企業革新や事業拡大のための支援の在り方を学ぶことを目指します。同時に、診断実務は、財務諸表やホームページなどのデータ分析にとどまることなく、従業員のアンケート分析ならびに、企業幹部との対話(チャリタブル・リーデイング)を通じて、コンサルタントとして、またビジネ・リーダーにも求められる「対話力」(ダイアローグ・マネジメント)を習得していただきます。
私は、中小企業金融公庫をスタートに60年余、多種多様な企業経営者の方々に奉仕し、また自身が企業経営を経験しておりますので、体験を活かして、「経営者のお役に立つ」企業診断とは何かをお伝えします。
中小企業診断士の皆さん、コンサルタントであれ、企業内診断士であれ、企業の「持続的経営の実現」に貢献するために、是非とも「国際会計と財務戦略マスターコース」にご参加ください。経営者や従業員の方々のとの対話を通じて、共に実践力を磨きましょう。
